父から子へ
世代を超えて紡ぐ
家づくりの心
父の背中を追いかけて
幼い頃から、父が大工として働く姿を見て育った私は、自然とその背中を追うようになりました。
高校では建築科を選び、休みの日には父のもとで大工のアルバイトをしていました。その頃はまだ「跡を継ぐ」という考えは持っていませんでしたが、やはり大工の子としての血が騒いでいたのでしょう。木の香りや工具の音に囲まれた環境が、私にとっては心地よいものでした。
高校を卒業する頃には、大工としての道を歩む決意を固め、父にそのことを相談しました。その時、父からの言葉は意外なものでした。
「お前は他所で学べ。うちではなく、よその会社で働いてみろ。」
初めはその言葉の意味が分からず戸惑いましたが、父の深い想いを感じ取り、少し寂しい気持ちを抱えながらも他の会社で大工として働くことにしました。
家づくりを通じて、
人々の生活に寄り添う
新しい環境での大工1年目、自分が携わった家が完成した時の感動は、今でも鮮明に覚えています。
家を建てることは一人ではできません。
木を切る人、木材を運ぶ人、設計図を描く人、電気や配管を整備する人、さまざまなお取引先やお施主様、そして同じ会社の仲間たち。多くの方々の協力により、家は完成します。
お施主様の笑顔を見るたびに、この仕事が自分の天職だと感じるようになり、やる気がみなぎりました。家づくりを通じて、人々の生活に寄り添えることが、私にとっての喜びとなりました。
そして、7年の月日が経ち、突然の父からの言葉...
それは「戻って来い」でした。
お世話になった会社を離れるのは寂しかったですが、父の元でやり遂げるという強い決意を持って大隆建築へと戻る決意を固めました。
責任の大きさと父の存在
新たな門出を迎え、大隆建築での仕事が始まりました。
以前の会社とは明らかな違いがありました。
それは「責任」の重さです。
大隆建築では少数精鋭で仕事をしており、以前の会社ではあまりなかったお施主様との直接の打ち合わせが増え、一つ一つの仕事が大きな責任を伴うことをはっきりと感じられました。
そして、改めて気づかされたのは、父の存在の大きさでした。
父は人との関係を大切にし、お施主様の心に寄り添う家づくりを心掛けています。また、道具の使い方に長け、古い考えにとらわれず新しい技術を積極的に取り入れる姿勢は、職人としてだけでなく、人生の師としても私に大きな影響を与えています。
地元の方々に
笑顔を届ける家づくりを
私の一番の願いは、家づくりを通じてお施主様に笑顔を届けることです。父から学んだ大切な想いを胸に、心に響く家づくりをこれからも続けていきます。
美浜町で育ち、学んだ私は、これからもこの美しい街で人々が安心して生活できる家を建てることに全力を尽くします。
お施主様の夢をカタチにし、家族が幸せに暮らせる空間を創り出すことが、地元社会への貢献と私の使命です。